映画『エレクトリック・ステイト』でのAI活用に賛否両論! 人間らしさを描く物語でAIを使うという矛盾に、ジョー・ルッソ監督はどう向き合ったのか

映画『エレクトリック・ステイト』
テクノロジーへの過度な依存の危険性をテーマにしたネットフリックスの新作映画『エレクトリック・ステイト』で、ジョー・ルッソ監督は映画の制作過程でAIを活用したことを認めており、さらにハリウッドにおけるAIの存在を擁護している。
本作は、シモン・ストーレンハーグの同名の小説を映画化したもので、ミリー・ボビー・ブラウン(ミシェル・グリーン役)、クリス・プラット(ジョン・キーツ役)、スタンリー・トゥッチ(イーサン・スケート役)、ウディー・ノーマン(クリストファー・グリーン役)らが出演。監督はジョー&アンソニー・ルッソが務めている。
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ジョー監督は英紙「サンデー・タイムズ」のインタビューで、映画の一部において声の調整に生成AIを使用したことを明かした。彼は、ハリウッドではすでにAIが広く使われているが、「人々が恐れている」「理解していない」ため、あまり公に認められていないと指摘。
インタビューで「(AIの使用は)TikTokの動画を見た10歳の子どもでもできるようなことだ。AIに対する批判や誇張は多いが、それは人々が恐れ、理解していないからだ。しかし、最終的にはAIの活用がますます進むだろう」とAIの使用について前向きな姿勢を見せた。
さらに、「現在の生成AIは、いわゆる“幻覚”を起こす段階にある。誤作動の可能性があるため、AIに完全に依存することはできない。だからこそ、自動運転が普及していなかったり、AIによる手術が世界中で行われていなかったりする。しかし、この“生成”という段階においては、AIは創造的な分野に最も適しているのだ」と現在の生成AIの特性ではクリエイティブな分野に最適だと述べた。
AIはどの芸術分野でも非常に議論を呼んでおり、ハリウッドでも例外ではない。今年の第92回アカデミー賞で3つのオスカーを受賞した『ブルータリスト』(2024年)は、映画内のポーランド語の発音を補完するためにAIを使用したことが批判を浴びた。
2023年のハリウッドでの大規模ストライキも、生成AIによって脚本家や俳優が置き換えられることに対する防衛の必要性が一因となった。
『エレクトリック・ステイト』の核心には、テクノロジーを超えて人間同士のつながりを深め、他の生き物を思いやる時間をもっと大切にしようというメッセージが込められている。一方で、AIを活用した映画であることから、このメッセージは皮肉とも受け取られかねない。





