『戦場のピアニスト』アカデミー賞受賞者エイドリアン・ブロディ、役者人生の裏にある知られざる代償を告白―役作りから摂食障害、PTSDに
米俳優エイドリアン・ブロディ(51)が、『戦場のピアニスト』(2002)出演後に直面した困難について語った。
エイドリアン・ブロディは、29歳で『戦場のピアニスト』に出演し、実在したピアニスト、ウワディスワフ・シュピルマン役を演じた。同映画においてエイドリアンは第75回アカデミー賞で見事主演男優賞を受賞し、同部門で史上最年少の受賞者となった。
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しかし、最近のインタビューで、撮影終了後に摂食障害やパニック発作に苦しんだことを明かした。
Vultureとのインタビューで、エイドリアンは撮影前に30ポンド(約14キロ)体重を減らしたと振り返った。そして、「それは物語を語る上で必要な身体的変化だった」「しかし、それによって精神的にも開かれ、空虚感や飢えをこれまで知らなかった深いレベルで理解することができた」と語った。
彼は映画の撮影後、PTSD(心的外傷後ストレス障害)を経験した可能性があるという。そのときのことについて、「少なくとも1年間は摂食障害に苦しんだし、その後は1年、あるいは生涯続くかもしれないうつ状態だった」と振り返った。
一方、新作映画『The Brutalist(原題)』の撮影では異なる経験をしたという。
エイドリアンは、「この映画では、役柄を作り上げるために必要な苦しみを、この映画では、役柄を作り上げるために自分自身の苦悩を持ち帰る必要はないことを実感した」「自分自身の苦しみをそこまで持ち込む必要がないことに驚いた」と述べた。
『The Brutalist』は、第二次世界大戦後を舞台に、エイドリアン・ブロディがユダヤ系の建築家ラスロ・トスを演じる。フェリシティ・ジョーンズが妻のエルジェーベト役を演じており、戦後の世界を生きるユダヤ系のトスの人生を描く歴史ドラマとなっている。
ブラディ・コーベット監督が手掛けたこの『The Brutalist』は今年のヴェネツィア映画祭で銀獅子賞(監督賞)を受賞している。