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スタジオジブリの宮崎駿&『インサイド・ヘッド2』チームの豪華対談が実現! ジブリが試写会をやらない理由が明らかに 「すべての観客に映画を理解させるのは不可能」 

『インサイド・アウト2』と、『君たちはどう生きるか』

『インサイド・アウト2』と、『君たちはどう生きるか』

Komugi Yamazaki

スタジオジブリの創設者である宮崎駿は、数十年にわたり、CGアニメーションの大手企業ピクサーの主要メンバーたちと友好関係を築いてきた。

今回、宮崎駿と、映画『インサイド・ヘッド2』のエグゼクティブ・プロデューサーで、ピクサースタジオのCCOであるピート・ドクター、監督のケルシー・マン、プロデューサーのマーク・ニールセン、そしてスタジオジブリ・プロデューサーの鈴木敏夫が集まり、劇場での「試写会」が創作過程において価値があるかどうかについて意見を交わした。

この対談は、鈴木敏夫が各界から多彩なゲストを招き、縦横無尽にトークをくり広げる、東京FMの人気ラジオ番組「鈴木敏夫のジブリ汗まみれ」によって企画された。

映画『インサイド・ヘッド2』の公開後、同作は国内外で好評を博しており、ピクサーチームは創作過程の多くの要素、特に特定の要素やシーンに対する観客の反応を測るための試写会について議論した。

ピクサーチームが宮崎に「ジブリの作品でもテスト上映を行っているのか」と尋ねたところ、宮崎は「やりません」と答えた。「映画はお客さん全員が理解することは不可能です。責任を取るのは自分たちですから。だからたまたまそこ(試写会)にいた人にね、責任を預けるわけにはいきません」と宮崎は説明した。

【動画】『インサイド・ヘッド2』予告編

ピクサーとジブリ、試写会の価値について異なる立場

宮崎の説明によれば、ジブリはピクサーよりも内向的な映画制作のアプローチを取っており、直感と内部の対話に頼って創作を進めている。それに対して、ピクサーはより統合的なアプローチを好み、観客が特定の感情的なシーンに「共鳴」しているかどうかを確認するために、試写会を頻繁に活用している。

ピクサーチームは「我々の方法では、試写会は有用である。制作の途中で、この部分が全く共鳴していないとか、感じてほしい感情が伝わっていないと判断できるので、そこで調整が可能になる」と、試写会の重要性を述べた。

ピクサーチームによれば、映画が伝える内容にスタジオが責任を持つ最良の方法は、少なくともある程度は観客のフィードバックを考慮に入れるということのようだ。

ピクサーチームは、「意見を聞いている時、右から左へ流してしまうこともあるが、試写会では一緒に観ることで、観客が退屈しているのか、画面に引き込まれているのかを感じ取ることができる。だからこそ、その反応が本物だと思う」「映画を観る際にできるだけ多くの人々に共鳴するように調整することが、我々の責任だと信じている」と述べた。

大成功を収めた『インサイド・ヘッド2』と『君たちはどう生きるか』

ピクサーとスタジオジブリはそれぞれ独自のアニメーション哲学を持っているが、両スタジオとも、そのアプローチで圧倒的な成功を収めている。8月4日時点で、『インサイド・ヘッド2』は全世界で15億6,000万ドル(約2262億円)という驚異的な興行収入を記録している。特に日本では、公開初週で500万ドル(約7億2500万円)以上を稼ぎ出し、大ヒットしている。

一方、ジブリの最新作『君たちはどう生きるか』は、全世界で3億ドル(約430億円)の興行収入を達成し、北米では公開された週の週末だけで1,280万ドル(約1億8500万円)以上を達成した。この作品は、ほぼ宣伝を行わず劇場ポスター1枚のみで宣伝されたにもかかわらず、日本でその年のアニメ映画としては第3位の興行収入を記録した。2024年には、『君たちはどう生きるか』が第96回アカデミー賞の長編アニメーション賞を受賞し、ジブリにとっては『千と千尋の神隠し』(2001年)以来のオスカー受賞となった。

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