第97回アカデミー賞授賞式が開催『ANORA アノーラ』が作品賞を含む5部門を受賞! 有力候補デミ・ムーアを抑えマイキー・マディソンが最優秀主演女優賞を獲得[受賞結果一覧あり]

ステージに登壇したマイキー・マディソン
現地時間3月2日(日)に第97回アカデミー賞授賞式がドルビー・シアターにて開催された。ストリップダンサーとして働くアノーラがロシア人オリガルヒの息子と結婚する物語『ANORA アノーラ』が作品賞を含む5部門を受賞。ショーン・ベイカーは、プロデュース、監督、編集、脚本で評価され、同一作品でアカデミー賞を4部門受賞した初の人物となった。
『ANORA アノーラ』のマイキー・マディソンは、有力候補とされていた『The Substance(原題)』のデミ・ムーアを抑え最優秀主演女優賞を獲得。「ロサンゼルスで育ちましたが、ハリウッドはいつも遠く感じていたので、今日この場に立っていることは本当に信じられないことです」と感激しながら語り、彼女は続けて、セックスワーカーのコミュニティへの支援を誓い、自らを 「盟友 」と呼んだ。
最優秀主演男優賞は『The Brutalist(原題)』のエイドリアン・ブロディが受賞。「俳優という職業はとても脆いものです」「キャリアのどの段階にいても、何を成し遂げても、すべてが消えてしまう可能性がある。この夜を最も特別なものにしているのは、そのことを意識することだと思う。そして、大好きな仕事を今も続けていることへの感謝です」と深いメッセージを発信した。
助演女優賞を受賞したのは、ゾーイ・サルダナ。彼女は『エミリア・ペレス』で、カルテルのリーダーが性別適合手術を受けるのを助ける弁護士を演じた。登壇に立ったゾーイは、自らを「移民の両親を持つ誇り高き子ども」と表し、「アカデミー賞を受賞したドミニカ出身のアメリカ人は私が初めてです」と涙を流しながら感激した様子を見せた。
その他の主な受賞作品では、ブラジルの軍事独裁政権時代を舞台にした家族ドラマ『I’m Still Here(原題)』が最優秀長編国際作品賞に選ばれた。ブラジルが同賞を受賞するのは初めてのこと。ラトビア発、洪水から生き延びようとする猫の活躍を描いたファンタジー・アドベンチャー『Flow(原題)』は、『野生の島のロズ』や『インサイド・ヘッド 2』といったメジャースタジオの作品を抑えて最優秀長編アニメ賞を受賞した。
主要部門の受賞結果は以下の通り。(★が受賞)
最優秀作品賞
★『ANORA アノーラ』
『ブルータリスト』
『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』
『教皇選挙』
『デューン 砂の惑星PART2』
『エミリア・ペレス』
『I’m Still Here(英題)』
『Nickel Boys』
『The Substance(原題)』
『ウィキッド ふたりの魔女』
最優秀監督賞
ジャック・オーディアール『エミリア・ペレス』
★ショーン・ベイカー『Anora アノーラ』
ブレイディ・コルベット『The Brutalist(原題)』
コラリー・ファルジャ『The Substance(原題)』
ジェームズ・マンゴールド『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』
最優秀主演男優賞
★エイドリアン・ブロディ『The Brutalist(原題)』
ティモシー・シャラメ『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』
コールマン・ドミンゴ『Sing Sing(原題)』
ラルフ・ファインズ『教皇選挙』
セバスチャン・スタン『The Apprentice(原題)』
最優秀主演女優賞
シンシア・エリヴォ『ウィキッド ふたりの魔女』
カーラ・ソフィア・ガスコン『エミリア・ペレス』
★マイキー・マディソン『Anora アノーラ』
デミ・ムーア『The Substance(原題)』
フェルナンダ・トーレス『I’m Still Here(原題)』
最優秀助演男優賞
ユーラ・ボリソフ『Anora アノーラ』
★キーラン・カルキン『A Real Pain(原題)』
エドワード・ノートン『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』
ガイ・ピアース『The Brutalist(原題)』
ジェレミー・ストロング『The Apprentice(原題)』
最優秀助演女優賞
モニカ・バルバロ『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』
アリアナ・グランデ『ウィキッド ふたりの魔女』
フェリシティ・ジョーンズ『The Brutalist(原題)』
イザベラ・ロッセリーニ『教皇選挙 / Conclave』
★ゾーイ・サルダナ『エミリア・ペレス』
最優秀脚本賞(オリジナル)
★『Anora アノーラ』(ショーン・ベイカー)
『The Brutalist(原題)』(ブレイディ・コルベット、モナ・ファストヴォルド)
『A Real Pain(原題)』(ジェシー・アイゼンバーグ)
『September 5(原題)』(モリッツ・ビンダー、ティム・フェールバウム、アレックス・デイビッド)
『The Substance(原題)』(コラリー・ファルジャ)
最優秀アニメーション作品賞
★『Flow(原題)』
『インサイド・ヘッド 2』
『Memoir of a Snail(原題)』
『ウォレスとグルミット 仕返しなんてコワくない!』
『野生の島のロズ』